ワン・ブレイン法:ストレス反応を解消し脳全体を活性化する

条件反射になったストレス反応が問題

何かを体験したとき、その状況と気持ちが結びついて記憶に残ります。もし嫌な気持ちがしたり、失敗したりすると、次に同じことをしようとするときには、同じ気持ちを味わうことになります。その気持ちを感じないようにするために、人は自動的に、その状況を避けたり、苦手だからといってそれをしないようになったりします。以下のような例があるでしょう。

−大きな犬に吠えられてからは、その犬がいる家の前を通らなくする。
−嫌なことを言われたら、その人を避けるようになる。
−学校で教科書を間違えて読んで笑われてからは、人前では読まなくなる。
−テストで悪い成績をとって気まずい思いをしてからは、テスト前に病気になる。
−車の運転中、怖い思いをしてからは、運転しようとしなくなる。

「また嫌な思いをするにちがいない」「どうせまた失敗するだろう」と感じながら、過去の体験の影響を受けた選択をしてしまうのです。たとえ、勇気を奮い起こしてやろうとしても、内心ではまた同じ結果になるかもしれないと予期しているためにうまくいかず、同じパターンを繰返すということになります。

このような条件反射は生まれたときから(厳密には受胎時から)積み重ねられていきます。それに翻弄されている限り、「自分には無理だ」という限界は超えられません。

「条件反射=限界」は超えることができる

ある状況と結びついた「気持ち」は、脳の一部に記憶されています(左下図)。ここが上記の条件反射を生み出しているのです。そのストレス反応が起こると、大脳の他の部分は十分に機能しなくなります。でも、ワン・ブレイン法を使えば、「状況」と「気持ち」の結びつきを切り離すことができます。状況の記憶自体が消えることはなくても、それに対する「気持ち」を変えることはできます。そして条件反射を超え、脳全体を使ってもっと望ましい振舞いをとることができるようになるのです(右下図)。



ストレスがあると脳の働きが限定される
  ストレスがないと前脳主導で脳全体が働く

ストレスは思考能力と物事を行なう能力を低下させます

ある状況でストレスを感じると、「生き残り」に関係する脳の部位(後脳)に血液が集中します。過去の同じようなストレス状況下で何とか「生き延びた」反応を自動的・反射的に行なうことしかできなくなり、前脳(新しい選択を考えたり新しい情報を学ぶ領域)の活動がほとんどなくなります。

過去の感情ストレスを解消すれば、現在の感じ方が変わります

左脳・後頭部の共通統合野(CIA: Common Integrative Area)には、過去の状況と感情ストレスが結びついて記憶されています。そのためその記憶と似た状況に出くわすたびに、同じストレス反応が反射的に起きてしまうのです。ワン・ブレイン法はこの記憶の結びつきを解き放ち、現在において意識的に最善の方法を考えられる前脳の意識連合思考野(CAT: Conscious Assosiational Thinking area)を働かせることができるようにします。

"CIA, CAT" "という用語の出典: Guyton,A. - Physiology of Human Body: W.B.Saunders, 1979
p269-299, p323, p338


ストレスにはポジティブなものとネガティブなものがあります

ある種のストレスは役に立ちます。たとえば、マラソンを走ろうとするとき、人前で話をするとき、大事な仕事の約束があるときなど、ストレスは脳を油断なく目覚めさせます。身体はアドレナリン等のホルモンの分泌などによって、状況に対応できる体勢をつくります。このようなストレスは、身体をバランスのとれた状態に保つので健全(ポジティブ)なのもです。

不健全(ネガティブ)なストレス反応は、状況にうまく対応する力を奪い、「とうしようもない」とか「戦うか逃げるか」という、自動的な反応しかできなくしてしまいます。その状態が続けば体内のホルモンや自律神経・免疫系などのバランスも崩れ、体調も悪くなってしまいます。ワン・ブレイン法は、ネガティブなストレスをボジティブなものに転換し、状況により良く対応する力を回復させるのです。

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